理屈じゃないとは言うけれど

漫画アニメゲーム小説映画ドラマなんでもござれ。物語世界と現実世界を行き来するのがライフワーク。

2024/05 ユーフォ・学マス・ガルクラ

気付けばだいぶご無沙汰してしまったが、表題のやつが立て続けに襲い掛かってきたのでやっと書きたいモチベが閾値を超えてくれた。いや、書かずにはいられない。

 

 

響け!ユーフォニアム(小説・アニメ)

 

毎年GWは大型連休をもらえるので、めいっぱい帰省して地元の友人との予定をギチギチに詰めるのが恒例だったのだが、今年は少し早めに帰省を終えて家でのんびりすることにした。

なにせ今年に入ってから結婚式参列やら出張やらで7回も実家に戻っていたもので、たまには贅沢に自分の時間を作るのもいいだろうと思ったのだ。

 

さて、土日月と予定のない日が3日間。外はどこ行っても激混み。

こんなときは読書だ!と思い立って小一時間悩んだ末に、今期絶賛放送中のアニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズの、原作小説の方に手をつけた。

話の先が気になったのも勿論あるが、日曜にリアタイ視聴してクライマックスを迎えたら100パーセント翌日以降に引きずるし下手したら日常生活に支障をきたす気さえしたので、目の前の休日をクッションに使っておくのも悪くないかと思った。社会人たるものリスクマネジメントは基本なのでな。

 

どうやらシリーズで10冊ちょいあるみたいだが、3期の内容にあたる『最終楽章』を読む前に原作の雰囲気を知っておいた方がノレるかなと考えて、先にスピンオフ的な位置づけの『飛び立つ君の背を見上げる』を電子書籍で買うことにした。

ウワサでは主要キャラが関西弁らしいのと、演奏シーンは当然文字のみなので上手に脳内補完しないとな、なんてことを考えながら読み始めた。

 

 

***

 

 

気付けばGW最終日の27時、つまり連休明け出勤を5時間後に控えたド深夜。でもそれどころじゃない。やばい。ロスがやばい。

Kindleの履歴には読む予定のなかったアニメ2期相当の内容も含めてすでに6冊に既読マークがついている。それでも飽き足らずにうっかりアニメ1期2期も全て見返してしまった。でも一向に眠れる気がしない。しんどい。

 

こんな青春送りたかった、とは少し違うけど、自分がこの先体験することが無いであろう青春のエネルギーに当てられて参った。なぜ俺は吹奏楽部に入らなかったんだろう。いや現実はこんな綺麗なもんじゃないと重々わかっているんだが、この後悔のようなそうでもないような猛烈な感情を持て余して仕方ない。今の自分の人生における選択はおおむね間違ってない、不器用なりに器用にやっていると思っているけど、それとこれとは話が別だ。

しんどい。眠れる気がしない。まったく社会人らしからぬセルフマネジメントで不甲斐ない。

 

アニメやってる最中なので具体的なストーリーを語るのは憚られるが、『最終楽章』のキーキャラクターである黒江真由の”ラスボス”感にやられた。

起承転結の転まで読んで、これは”前作ラスボス”のあすか先輩の高い高い壁を超えるポテンシャルがあるな、と思った。

でも読後の正直な感想を言えば、アニメで見たあすか先輩との直接対決を超えた、とは思わなかった。ある意味で原作を先に読む選択は、結果的にアニメがやってることの凄さを知れた点で良かったのかもしれない。

もちろん原作もとても面白いんだけど、本当に力の入った映像化をされたら相乗効果でめちゃくちゃ面白くなるに決まってるので、比べるのは野暮なのだと思う。

 

アニメ2期を見返して思うのは脚本がすごい。掘り下げてほしいところのタイミングやバランスが絶妙。

花田十輝脚本は全部が全部刺さるかと言えばそうでもないんだけど、最近だと『宇宙よりも遠い場所』のスマッシュヒットが印象深い。いや確認したら全然最近じゃなかったわ。つらい。

あと来年の話だけど個人的おススメ連載中漫画ランキングぶっちぎり1位『メダリスト』のアニメ脚本もやるらしいので大変期待しております。これ出来イマイチだったらショックで寝込むので本当に頑張って欲しい。

 

ユーフォの話に戻ると、今やってる3期はスタッフの面子が若干変わってるんだけど今のところ全く遜色ないし、例の黒江真由はじめ原作でもう少し掘り下げてほしかった話が上手く補完されていてとても信頼できる。直近の数話は物語エネルギー溜めている段階なので、こっからの爆発がとても楽しみであるし、怖くもある。もってくれよ我がメンタル。

そもそも京アニがこうして新作を出していることの意味を忘れちゃいけないよな。毎週毎週噛み締めるようにして観たいものだ。

 

 

TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」公式サイト

TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」公式サイト

 


メダリスト(10) | マンガ展

メダリスト(10)-アフタヌーンコミックス-つるまいかだ-ebook

 

 

学園アイドルマスター(ゲーム)

学マス所感|しもうさ

 

GW明けの寝不足とボケボケの頭を1週間かけて通常運行に戻した頃、『学園アイドルマスター』のサービス開始が近づいていることを知って、ソシャゲを今更やる気はないけどアイマスだしちょっと情報追っておくかとYoutubeを覗いてみた。

 

年明けごろに少し話題になっていたのもあり前々からどうも今回はいろいろと気合が入っている雰囲気は感じていた。

そういえば楽曲提供に錚々たる面子揃えてるんだっけか。先行公開でフルMV、しかもライブとは別に2Dで作ってるじゃん。てかよく見たらアイマス公式じゃなくて独立してch作ってるし色々珍しいなー、なんてことをつらつら考えながら新曲計9曲を片っ端から流してみた。

 

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なんだこれは。本当にアイマスなのか・・・?

 

いやービックリした。垢抜けすぎでしょ。これは明確にターゲット層を広げにきたと思った。新しい。

でも、今やコンテンツ全体で1000以上の楽曲をリリースしているアイマスにジャンルなんてあってないようなもので、そのノンジャンル性にこそ昔から魅力を感じている部分なので、これは応援できる!とも同時に思った。そもそもコンポーザー陣がモロに自分のツボなので古参・新規両方の気分を味わえて二重においしい。

企画的には今までアイマスに触れてこなかった若年層を向いているようで、今のポップシーンの源流にあるボカロを浴びてきて尚且つアイマスも守備範囲にある自分のようなニコニコネイティブにこそ一番刺さるんじゃないですかねえ!

 

埋め込み1曲目。Gigaの曲で一番有名なのはたぶん『踊』だろうしこの曲も存分にその成分を感じる超今風(?)な曲調なんだけど、ギガP時代れをるとコンビ組んでた頃の曲をアホほど聴いていたお陰でアラサーの自分でもまあついていける。未だにLUVORATORRRRRY!のReolカバーたまに聴いてるよ。

 

2曲目の長谷川白紙、柴那典の記事とかちょいちょい読んでるからどんな人かは知ってたけど、なるほど常人には理解できない。Aメロのドラムパターン意味わかんなくて好き。発狂地帯なんぞこれ。なんか楽器隊めちゃ豪華らしい。ところどころで知らない世界の音楽を感じるけど、たぶんこれでも相当抑えてるんだろうなーという印象。このキャラに限った話じゃないけど、次に出す曲どうすんだろう・・・?

 

3曲目の美波、一番刺さったのは間違いなくこれ。

 

 

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2サビ以降の展開えげつなくないですか、なんかずっと歌ってるし。マイナー→メジャーで主音を引き継ぐやつ(正式名称がわからない転調)好きなんだけど、これとかlemonみたいに言うて元がマイナーしてないのはもっと好き好き大好き。落ち転調サビクラップ、字面だけで鳥肌立っちゃう。バンドサウンド+管弦の生音でめっちゃゴージャスなのにまとまりあってすごい。MVの情報量とんでもないのにどこで止めてもキマってる。そしてボーカルは蒼の系譜も納得の声質。

挙げたらキリないくらいもう全部好き。美波は『うる星やつら』のタイアップでわりと最近知ったくらいだけど、バンド隊含めて完全に惚れてしまったな。

 

news.denfaminicogamer.jp

 

ちなみにリリースされたゲーム、結局ガッツリやっている。上記リンクでもまさに触れられているが、ローグライクのゲーム性とアイドルを育てて成長を見守るコンセプトが噛み合ってて存外面白い。

半年前ぐらいにSwitchで『Cobalt Core』を履修していたお陰で周回デッキ構築が楽しくて仕方ないし、なんなら微課金なのにうっかりPvPのランキングに名前載ってしまっている。ハマりすぎだろ。

元々アイマスに対してはキャラ推しというよりは箱推し、あるいはメタ目線でコンテンツそのものを推しがちで、音ゲー以外のゲーム要素に興味薄い方だったけど、育成シミュレーションそのものは『パワポケ』シリーズの原体験があるからむしろ好きな方。冷静に考えたらハマらない理由が無かったわ・・・。あんな物語性ある曲歌ってた手毬さんがまったく予想外な向きにキャラ立ってて笑うしかない。

とりあえず今は新曲が気になるかな。同じ人に曲書いてほしい気持ちと色んな人の曲聴いてみたい気持ちがせめぎ合ってる。月2くらいのペースならゲーム運営的にも回りそうだけどクオリティ保つのは超大変そう。とか思ってたら提供:ツミキでもう新曲が出ててたまげちゃった。

とまあいろいろ期待や不安はあるんだけど、SNSでそれなりに盛り上がってるのを見るとやっぱりいちアイマス好きとして嬉しくなっちゃうね。

 

 

Cobalt Core

Cobalt Core

 

パワポケ』ファンアンケート結果発表!人気の彼女候補や印象的なエンディングなど、気になる結果は?【『パワプロクンポケットR』発売記念】 |  ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

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ガールズバンドクライ(アニメ)

アニメ「ガールズバンドクライ」公式サイト

 

普段日常的に音楽を聴く方ではないけれど、学マスをきっかけに暇さえあればYoutubeMusicで音楽を聴く習慣ができた。

他のサブスクを知らないので今時当たり前の機能なのかもしれないが、YoutubeMusicは1曲単位で再生した後、アーティストやアルバムを横断しておすすめの曲を数珠つなぎに再生してくれるらしい。

たまのドライブでJ-Popのヒットチャートを流している時は”流行ってる曲”のくくりでしか流れないので気付かなかったが、それなりにニッチな曲を選べば曲調ベースでおすすめを提案してくれるようで感心してしまった。優秀な選曲アルゴリズムに寄与したであろう感度の高いヘビーユーザーにも感謝である。

そんな経緯があって、帰宅途中の電車の中で出会ってしまったのがこの曲である。

 

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なんだこれ、かっっっっこええ!!!どこの誰の曲だ???

 

アニソンっぽいけどにしては後ろの音楽の主張が強いしボカロ的な詰め込み感もあるしで、最初音だけ聴いてた時はどんなコンテンツの楽曲なのか想像できなくて混乱した。

ジャケットを見るとやっぱりアニメっぽい。すぐにアーティスト名『トゲナシトゲアリ』で検索すると、どうも今放送中の『ガールズバンドクライ』なるアニメの作中バンドらしい。

ただ軸足はむしろリアルバンドの方にあり、「声優に歌わせる」のではなく「アーティストにアニメの声を当てる」ことで成立しているコンテンツのようである。アニメ放送に先行してMV配信やライブ開催もしていて、一方のアニメはというと全編3Dときた。

なんだか情報量が多すぎると思ったが、例によって脚本花田十輝の名前を見つけてしまったので、とりあえずYoutubeで無料公開している1話を観ることにした。

 

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***

 

 

つい昨日の晩、8話が配信されたので早速観た。

いや、これ本当にやばい。ただでさえユーフォと学マスのせいで情緒が狂いかけていたのに、こんなの見せられたら泣いちゃうじゃん。それこそ『よりもい』以来に脚本で震えたかもしれない。

ユーフォには「あったかもしれない青春」に焦がれてしまったが、ガルクラには「絶対に味わうことのなかった青春」を叩きつけられている。

自分に語る資格があるとは思ってないけど、これは紛れもないロックだろう。

 

ライブシーンの話をさせてほしい。

自分はアイマスMADとかMMD全盛期を通ってきたニコ厨なので、未だにアイマスを中心に3Dのキャラが動くライブ動画をチェックしてたりするんだけど、ガルクラのライブシーンはかつてない衝撃を受けておりまして。

3Dライブアニメーションを、音楽・モデリング・モーション・カメラワークの4つに要素分解したとしたら、ガルクラはモデリングをある程度妥協することで他の3要素が凄く噛み合ってるんじゃないかな。

特に楽器のようなオブジェクトを持たせたキャラクターのモーションって他のコンテンツ見てても相当苦労してるように見えるんだけど、そこはあの『THE FIRST SLAM DUNK』を作った東映の技術力の賜物か、立ち姿や細かいノリの一つ一つまでがクセになる作り込み様。

でも一番推せるのはやっぱり超キレキレのカメラワーク。粗を上手に隠しつつライブ感満載に動いていて目が離せない。ロックに特化させれば前衛的なカメラワークも全く気にならないし超カッコいい。Youtubeに全部あがってるライブシーンもう何回再生したかわからんです。

いやー、学マスのカメラワークも凝ってたし撮影機能と相まって凄く楽しんでるんだけど、自分にとっての新鮮さを考えるとどうしてもガルクラの方が語りたくなっちゃうな。

 

あとはやっぱり曲の話。全体的には短めの曲が多いんだけど、聴いてると2番AメロBメロからのサビキャンセル間奏を挟んでラスサビに突入するパターンが多いのが影響していそう。もっと聴いていたい気持ちもあるけど展開自体はむしろ好きな部類なのでオールオッケー。

 

www.kkbox.com

 

上記リンクより引用。

 

劇中の設定上2004年頃に生まれた桃香が、最も感度の高い時期、小学校の高学年あたりで音楽に興味を持つきっかけとなる曲と出会うとすると、2015年前後の動画やSNS上で観られた曲の中にあったはずで、おそらくは同級生よりかなり早熟気味であったろう桃香が反応しそうな楽曲、ここが旋律感やサウンドの質感の原点となっていて、その後スマホを手にしたであろう2017~2018年あたりから数年間のJ-POPど真ん中でないバンド系とボカロ系を聴き込みながらギターを手にし、作曲を始めた2020年前後辺りで “聴く曲” と “参照すべき曲” を別の耳で聴き分けはじめた、という仮説を立てました。そうすると、歴史上最速のBPMを更新するかのごとく高速化していったボカロP曲のスピード感と、転調を繰り返しながらめまぐるしく展開する高再生オリエンテッドなバンドサウンドをリアルタイムで浴びながら、推しが影響を受けたであろう過去のロックやジャズやR&BやEDMの歴史をコード進行ごとなぞった、才能溢れる女性ギタリストが表現したかったサウンド、というのを、トゲナシトゲアリの楽曲の基本コンセプトとしています。そこに、毎分めまぐるしく更新される動画にインスパイアされながら、検索機能をフルに活かして耳触りの触感を突き詰めながら書き綴る純文学風味のリリックを、思春期を通して夢中で掘り下げたであろう、桃香の熱量そのものを散りばめた歌詞、を組み合わせたうえで、アニメの世界線とは別軸のリアルな邦楽シーンに於いて、このインディーズバンドのプロデュースを僕が引き受けたとしたら、という量子力学的視点で、ヘビメタ由来でなく下北種でもない、変異した新種のガールズバンドとはどうあるべきか?を毎曲更新しながらトライし続ける、という指針で進めています。

 

な、なるほど、、、めちゃくちゃ解像度の高い説明でちょっと腑に落ちた。自分の中で反応してるボカロの年代感が一致してる一方で、表面的でない部分にまた別のルーツが上手く融けこんでいるから凄く新鮮に聴こえるってことだな?

・・・うーん、なんかもうちょっと踏み込んで表現したいが、残念ながら自分の音楽的感性の分解能が足りてない。でも初見でひっかかった自分のアンテナは褒めてやりたいな。

 

曲についてはまだまだ語りたさあるんだけど、気付けばもう5000字を超えてしまった。そろそろ疲れてきたので、お気に入りの動画だけ貼って終わりにしよう。

 

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サビ前カッコいい。ハモリが収録音源より主張があって好き。

 

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イントロのギターだけで生きていける。

 

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結局速いのが一番聴いてて楽しい。これ本当に中の人演奏してるの・・・?

 

 

***

 

 

普段周りにオタクは一定数いるので基本困ってはないのだが、この方面のコンテンツを語れる人はあまりいないので、ここで全部文章にぶちまけられてよかった。

そして、そんなスッキリした頭で考えてると、やっぱりなんか楽器始めた方がいい気がしてきたな。

こんなにさんざん語ってるけど自分の音楽知識の8割くらいドラえもんの学習まんがシリーズだけで構成されてるだけのエアプだったりする。

今までどうしても「しょせん素人だしな・・・」で自分の音楽的感性を言語化してこなかった節があるが、やっぱり音楽はアウトプットしてナンボだと思うので、やっぱり今のままじゃもったいない。

近々引っ越しを予定しているので、それを機に真面目に検討しよう。そうしよう。