2022/07ものがたり日記
あらすじの範囲を超えそうなネタバレは薄字(反転推奨)。まだ自分で楽しむ予定があればスルーしてね。
今月は普段あまり触れないジャンルを攻めていた気がする。いい刺激になったのか、分量もそれなりになって満足です。
『ゆるキャン△』(映画)
- キャンプにハマるJK達を描いた大ヒット作の社会人編にして劇場版アニメ。キャンプ場をゼロから作っちゃおう!というロマン溢れるお話。
- TVシリーズと一番違うのはやはり、みんなちゃんと社会人なのでお仕事描写がある。今年新社会人になった身なので思うところはいろいろ。
- 特に自分は就職と同時に地元を離れているので、物理的距離がある中でも思いつきで集まれる関係性はとても羨ましく見えた。やはり遠く離れているからこそ交友関係のためのフットワークは軽くあるべきだね。
- 「離れていても友達」の現代的文脈に欠かせないSNSだけど、ゆるキャンではInstagramでもTwitterでもなく一貫してLINEのみ。前者のように多少なりとも不特定多数へのアピールを志向するプラットフォームはやはり趣が違っていて、自分が主体的に楽しんでいてかつ価値観を同じくするごく限られた人と共有できれば十分だからこそのLINEなんでしょう。
- みんな元々何かしら好きなことを仕事にできている様子だが、「キャンプ場企画」なんて好きなことど真ん中をプロジェクト化して自分の本業とも結び付けたりして、こんなんできたら充実感MAXで本当に幸せだろうなあ。日々の仕事で得たものを仕事以外の場所で活かせる(逆も然り)可能性は、普段から自分で探しに行かないと得られないように思う。
- とりあえず劇中のみんなの職場はいい人ばかりだった(これが一番のフィクションかもしれないね、、、)
- TVシリーズでも常々思っていたが、時間への感覚が抜群にいい。間延びや駆け足を感じたことが一度もない。
- 思うに「間延び」の概念は「無為に時間を過ごす楽しみ」というキャンプの特性に吸収されているのでは。時間が余っても風景のロングカットを挟めばそれ自体でキャンプの真髄を表現すること(=本編)が成立しちゃうもんな。
- アニメがめっちゃ流行った漫画原作のイメージだが、一緒に観た友人はドラマから入ったらしくちょっと意外だった。気になってアマプラで1話だけ視聴。
- もともとが実在のモデルに忠実に作ってあるので、ロケーションや道具をそのまま使うだけで実写映えしてた印象。アニメとドラマは視聴者層かなり変わってくるように思うが、キャンプやってみたいと思わせる力は同等にあるのでは?原作の作りからしてそれだけの間口の広さがあるとも言える。
- まいんちゃんのしまりんは特に違和感なく見てたけど、なでしこの方は実写でやるとかなりやべー奴に見えた、、、笑
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『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(小説/2021)
プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 | アンディ ウィアー, 小野田 和子 | 英米の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon
- 映画『オデッセイ』の原作小説『火星の人』などで知られる(らしい。どっちも未履修)SF作家、アンディー・ウィアーの最新作。映画化決定済。
- 海外小説なんて滅多に読まない(下手したら中学生で読んだ『そして誰もいなくなった』以来……?)けど、最後までほぼ違和感なく読めた。思うに学術書のクソ翻訳に触れてるうちに敬遠するようになったのだろうが、これを機に認識を改めたい。
- 分野横断的にサイエンスしていてとても楽しい。素粒子レベルのミクロから天体レベルのマクロまで、具体的な科学知識から仮説検証のプロセスまで、スマートな概算による現象予測から泥臭い即応的なエンジニアリングによる問題解決まで。こんなにも欲張りセットなのにめちゃくちゃ読みやすい。最高級の学べるエンタメ。
- 理論パートは高校レベルの物理化学生物地学でほぼ全て理解できるくらい。でも説明理解できなくても十分楽しめると思う。『Dr.STONE』よりちょっと科学ネタ詳しくして小説にしたイメージ。
- 脱出ゲームじみたミステリ進行がメインの前半と、波乱続きのハラハラ展開がメインの後半。個人的には前半の方が好みかな。地球パートの落としどころをもう一つ掘り下げて見たくなるところだが、あったらあったで野暮ったくなりそうなのと、視点ががずっと一人称なのでこのオチなら致し方なし。
- この種類の面白さ覚えあるけどなんだっけ、ってずっと考えてたけど『サバイバルヤルオ』とか『とある飛空士への追憶』あたりな気がする。絶望的な状況に2人きりから始まって、でも困難を乗り越えて終わりが見えてくると妙につらいやつ。
- 工学系なのでアメリカ規格のヤードポンド法滅びてくれって思う場面たまにあるけど、当のアメリカ人科学者が迷惑してる様子を散々見せられてちょっと同情。ことあるごとに脳内で悪態ついてんの作者の心の声でしょ。
- 最近はSFもマイブーム、というより意識しているテーマの一つ。エンジニアの端くれとして新しいもん生み出したいと思ったらSFこそアンテナ張っておいてしかるべきだろ!なんてカッコいいこと言ってみたり。
- ここ最近でのSF遍歴は『十三機兵防衛圏』(2019)の再プレイ、漫画『攻殻機動隊』(1989)を読むなど。前者も骨太だったけど後者はマジで一読じゃ意味わからんかった。たまたま岡田斗司夫の切り抜きとか見つけてなんとなく当時の空気感が分かったが、それはそれで当時の発想としてもぶっ飛んでて意味わからん(誉め言葉)
Dr.STONE 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | 稲垣理一郎, Boichi | 少年マンガ | Kindleストア | Amazon
スマホで読むなら「やる夫RSS+インデックス」等のアプリ推奨
Kindle Unlimitedで読める。コミカライズも大好きなので一緒に載せちゃう
Amazon.co.jp: とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫) eBook : 犬村小六, 森沢晴行: 本
とある飛空士への追憶(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス) | 犬村小六, 小川麻衣子 | 少年マンガ | Kindleストア | Amazon
最近Switchにも移植された神ゲー
これもKindle Unlimitedで読めるのね、ビックリ
攻殻機動隊(1) (ヤングマガジンコミックス) | 士郎正宗 | 青年マンガ | Kindleストア | Amazon
『Xenoblade2』(ゲーム/2017)
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- 人間と巨神獣が共生する世界を舞台にしたファンタジーRPG。スマブラにいるホムラ&ヒカリが恐らく一番有名。
- 久々にやるRPGだったけど王道冒険譚で気持ちよくプレイできた。なお難易度EASY。
- ファンタジー気分で進めていたら終盤急激にSFに舵切ってきてビビる。
- このブログの趣旨的にゲーム性にはあまり触れないけど、MAPがかなり広くてその気になれば相当時間遊べそう。『ブレスオブザワイルド』プレイ済みでなければもう少しハマってたかも?
- ドライバーとブレイド、よくある主従関係のようで少し捻りがある。力を持つブレイドと力を与えられて戦う人間という関係、形式的にはドライバーが主人だが戦闘になれば実質的にブレイドにも大きな裁量がある。
- 総監督曰くウルトラマンに着想があるらしい。ホムヒカのモードチェンジ概念に納得というか、最後一緒くたになってパワーアップするとこまで含めて平成ウルトラマン感ある。
- ブレイドは倒されるとコアに戻り、時間がたてば復活するが記憶は継承しない。この仕組みからブレイドの自己同一性や存在意義のような哲学的な問いかけが生まれたのが面白かった。
- 不死身でありながら、主観では大抵の場合人間より短い一生になる。前世の主人を倒した敵が新たな主人になることも必然的に多くなったりと、ブレイドが抱えうる葛藤については想像の余地がたくさんある。
- 『Fate』シリーズと比較するなら、サーヴァントは英霊の記憶がマスターデータとして残る点で大きく違う(正直うろ覚え)
- 「楽園に行く」ことを目標にとにかく頑張る目的型の主人公。ストーリーの佳境、目的が果たされないかもしれないのに周りを巻き込むことへの疑問が主人公に投げかけられる。
- 直後にある壮大な世界の種明かしパートでこの問いがうやむやになりかけて焦った。
- ラスボスとの問答、「こんな愚かで不条理な世界に意味はない」に対して「そんな世界でより良い未来のために足掻くプロセスに意味がある(意訳)」と返す主人公。これまでの問いは全てここに収斂させる作りっぽい。ど真ん中の人間賛歌で気持ちいいね。
- 最近出た続編『3』は『無印』と『2』それぞれの世界を継承しつつもっときびしめの世界になるらしい(『2』を貸してくれた友人談。新作も彼に貸してもらうことになりそうだ)
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唯一リアタイ完走したやつ。歴代がいっぱい出てきて激アツ
ウルトラマンメビウス 運命の出逢い が見放題! | Hulu(フールー) 【お試し無料】
私のFateはDEEN版↓から。FGOは2部の3章くらいで挫折、、、
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『コードギアス 反逆のルルーシュ』(アニメ/2006)
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- ギアスなる超能力を手に入れた元王族の少年が、母の復讐と妹の平和のため帝国に反旗を翻すお話。いわゆるアンチヒーローもの。
- R2(2期)まで4クール一気通貫で観ちゃった。切りどころなさ過ぎて睡眠時間が半分になったけど面白いから仕方ないよね。
- 最初に連想したのは『DEATH NOTE』(2003)。たぶんだけど自分が初めて触れた主人公が悪を為す系のやつ。
- アンチヒーローとかダークヒーローとか明確な定義はあまりよくわからない。アメコミ系ヒーローとかそのへん細分化されてそうなイメージだけどたぶん明確な定義は無いっぽい。そういうの文学界隈?のタームにはよくあるよね。
- 物語体系として「ピカレスクロマン」と位置づけられることも。もともと中世ヨーロッパで流行ったジャンルを指す言葉らしいけど「和製ーー」みたいに区別してオルタナティブな正義のイメージを内包することもあるようだ(wiki調べ)
- 1話単位で一番印象強かったのを選ぶならやはり1期22話。「血染めのユフィ」なんてあからさまに不穏なサブタイだからちゃんと身構えていたのに、そんなもん一瞬で吹き飛ぶような圧倒的絶望をぶつけられた。人の心とかないんか?
- 1期終盤あたりから「妹の平和な生活のために」のはずが妹を失うor対立する展開が予想できたので、一体どうすんのかなと思いながら続きを観る。2期はほぼこの視点で追ってたけど感想としては「ルルーシュブレねえな」に尽きる。状況が目まぐるしく変わるのでその都度目標は変わるんだけど、行動原理とか思考ロジックは一貫してたと思う。
- 爆発に巻き込まれ妹が死んだ(と思い込んだ)後、ひとしきり落ち込みつつも復讐を果たすため父の元へ向かう。妹を守るのと同じくらい母の復讐が強烈なモチベだったのは最初にはっきり示されている。
- 父(母)殺しを果たした後は覚悟ガンギマリ状態なので、実は生きていた妹が敵に回ろうと最早関係ないという。妹よりも世界を救う選択肢を選んでしまえたのは決してヤケクソではなく王の器ゆえ。
- どうやら続編にあたる劇場版があるらしいのでタイミングを見て観るつもり。その感想と併せて来月の日記にもう少し掘り下げて書きたいね。
- 谷口悟朗監督は来月公開のワンピ映画『FILM RED』でも監督を務めている。意図したわけじゃないけどいいタイミングで観られてよかった。
DEATH NOTE モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | 大場つぐみ, 小畑健 | 少年マンガ | Kindleストア | Amazon
実はこれ書いてる時点で鑑賞済。リピートするかも?
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8月はお盆休み挟むから実家で映画いっぱい観たいなと思いつつ、結局地元の友人と遊んでる気がする。でもそれが大事だって今まさに書いたんだからむしろ良いことである。
物語世界で得たものは現実世界のアクションにフィードバックしてナンボですからね。いずれその辺の自分の信条は個別記事として書く予定。
ではまた来月!