2023/1-3ものがたり日記
あらすじの範囲を超えそうなネタバレは薄字(反転推奨)。まだ自分で楽しむ予定があればスルーしてね。
Kindleに本格移行して約1年、蔵書もそこそこ充実してきて電子本棚眺めながらニヤニヤしています。
- 『THE FIRST SLAM DUNK』(映画 新作)
- 『大奥』(漫画 2004-2021完結)
- 『違国日記』(漫画 2017~連載中)
- 『シン・仮面ライダー』(映画 新作)
- 『BLUE GIANT』(映画 新作)
『THE FIRST SLAM DUNK』(映画 新作)
- 連載終了から26年、スポーツ漫画の金字塔が原作者完全監修で満を持してのアニメ映画化。
- 最高だった。今まで観たアニメ映画の中で1、2を争うかもしれない。
- 自分が生まれる前の作品であり、中学生の頃一度読んだきりで正直大した思い入れないけどなーと思いつつ観に行ったのだが、自分でもビックリするぐらい楽しんでしまった。
- 原作の断片的な記憶しか無かったはずなのに、映画を見ながら人物関係も次に来るシーンもほぼ思い出せた。やっぱり読んだ当時もめちゃめちゃハマってたんだろうな。
- あえて一つを選ぶなら、とにかく音回りが一番良かった。
- 開幕の激熱OP、ドライブで抜き去るシーンの劇伴、最後の息詰まる攻防、映像が音と完璧にマッチしてて感動した。
- これはと思ってDolby Cinemaで2回目観に行ったら凄いなんてもんじゃなかった。あの体験は一生忘れないかも。
- 音楽ライター・柴那典氏がVoicyで映画スラダンに触れていたのだが、共感できる感想に加えて10FEETのバックグラウンドも知れたのでとても良かった。
- モーションキャプチャによる動きの再現が、これまた革命的に凄い。
- 実際の人間がモーションアクターとして演じる動きを二次元に落とし込む手法なのだが、正直あまりいいイメージが無かった。だいぶ前だけど『惡の華』なんてトラウマもあるし。
- 緩急が激しい(バスケは特に!)スポーツものの動きでこそモーションキャプチャが映えるのかも。どのくらい手を加えているんだろう?
- 「ケガをおしてでも今この試合に賭ける」的なマインドはやはり現代的スポーツ観にはそぐわない節がある。もちろん原作は90年代なのでケチを付ける方が野暮と思わなくもないが、この映画が新世代にどう受け止められているのか?という興味はある。
劇薬、でも終わり方は好き。読むのがあと2年早かったらいろいろ危なかった…
惡の華(1) (週刊少年マガジンコミックス) | 押見修造 | 少年マンガ | Kindleストア | Amazon
ダイヤのA act2(1) (週刊少年マガジンコミックス) | 寺嶋裕二 | 少年マンガ | Kindleストア | Amazon
MAJOR(1) MAJOR (少年サンデーコミックス) | 満田拓也 | 少年マンガ | Kindleストア | Amazon
『大奥』(漫画 2004-2021完結)
大奥 1 (ジェッツコミックス) | よしながふみ | 青年マンガ | Kindleストア | Amazon
- 一言で言えば「男女逆転大奥」。徳川十五代を一気通貫に描いた歴史ジェンダーSF。
- 原作完結のタイミングで話題になってたのでずっと気になってたが、ドラマ放映開始を機に家族が興味を示したので思い切って大人買い。
- 男性のみが罹る伝染病→家制度の女系への転換という思考実験的な設定と、作者のジェンダー的問題意識、両者が噛み合ったとても読み応えのある長編。ジェンダーSFという言葉がこんなにもしっくり来るものもなかなかない。
- 1巻の奥付見てたまげた。2004年連載開始っていろいろな意味で先見の明がありすぎるでしょ。
- 賢くて現実的な女性をカッコよく描くのがものすごーくうまい。
- はっとさせるような大人びた表情の描き方で吉田秋生を連想した。
- とは言っても読んだのは『海街diary』『詩歌川百景』くらいだけど。『BANANA FISH』はいつかじっくりと時間をとって読みたいな。
- どのエピソードも印象深いけど、平賀源内や青沼たちの赤面疱瘡との戦い、和宮と家茂の関係性が特に好き。
- 前者はストーリーの根幹設定に迫る緊張感、学者たちの活躍や自然科学へのリスペクト、最高に最悪なヒール治済などなど展開が激しくて読み返したくなるシーンも多い。
- 後者はこれまで散々見せられてきた将軍家の悲劇に対するひとつのアンサーであり集大成になるんだろうな、鳥肌立っちゃった。
- 書評家・三宅夏帆さんのブログでも言及されているが、6巻で右衛門佐が綱吉に言った台詞を噛みしめてしまう。「…生きるということは、女と男ということは! ただ女の腹に種を付け、子孫を残し、家の血をつないでいくことではありますまい!」
- あまりに面白かったので同じ作者の作品を何冊か読んだけど、もともとはBLにもお強い方だそう。そこそこ過激でも案外読めちゃったのは多分漫画が上手いんだろうな。
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃 (flowers コミックス) | 吉田秋生 | 女性マンガ | Kindleストア | Amazon
詩歌川百景(1) (flowers コミックス) | 吉田秋生 | 女性マンガ | Kindleストア | Amazon
アセクシャルの女の人のエピソードが印象深い
愛すべき娘たち (ジェッツコミックス) | よしながふみ | 青年マンガ | Kindleストア | Amazon
ソルフェージュ (白泉社文庫) | よしながふみ | マンガ | Kindleストア | Amazon
執事の分際 (白泉社文庫) | よしながふみ | マンガ | Kindleストア | Amazon
『違国日記』(漫画 2017~連載中)
違国日記(1) (FEEL COMICS swing) | ヤマシタトモコ | 女性マンガ | Kindleストア | Amazon
- 両親を事故で亡くした思春期の少女と、引き取り手となった小説家叔母の同居生活のお話。
- 少女・朝が叔母・槙生との交流の中で、両親の死を受け入れ成長していく過程を見守るようにして話が進む。
- 槙生さんが朝にかける言葉は決して飲み込みやすくないが、とても真摯なもの。朝もはじめは「分かんない!」とバッサリだったけど、その繊細な語りかけが徐々に浸透していくのを見るとなんだか嬉しくなってしまう。
- 槙生さんやその交友関係の大人たちと接点を持つことで、「親」以外の大人というものを知ることになる朝。そうした交流が突然失った両親と向き合うきっかけになる納得感がすごい。
- 朝のキャラクターがめちゃくちゃ好き。その素直さ見習いたい。
- 槙生さんも言うようにこれは決して他人が断ぜるものではないかも知れないが、「あなたのありようを見ているとあなたは愛されて育ったのだろうな」と同じように思うのです。
- 「叔母さんは小説家で親が死んで超つらくて音楽的に深みが出てもいいはずなのになんで全然パッとしないの!!」ここ狂おしいほど好き。
- 地味だけど、巻数とともに着実に時間が進んでいくのが良い。多感な時期を過ごす中でもそこには淡々とした時間の流れがある。
- 槙生さんと笠町くんの距離感、尊い。
- そんな二人の関係に興味津々な朝の反応もまた良い。
- 劇中に出てきた映画『フライド・グリーン・トマト』(1991)を視聴。1920年代のアメリカを舞台にして、さまざまな差別への問題提起を感じさせつつオチもある良い映画だった。去年観た『ザリガニの鳴くところ』を若干連想した。
- 同性愛についてはどうも原作小説よりも控え目な描写らしいが、その分違国日記作中で引用されたシーンの美しさが際立っているんだろうなと想像。
- 同じく名前が出てきた『メッセージ』は2年くらい前に観た。文字解析のプロセスが好奇心くすぐられる話だった。次は槙生さんが朝に勧めた『マッドマックス 怒りのデスロード』を観ようかな。
どこも配信やってなくて観るのに結構苦労した
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『シン・仮面ライダー』(映画 新作)
- 庵野監督のシン・シリーズ最新作にしてよりオタク先鋭化した趣味作。どうやら漫画原作らしい。
- 仮面ライダーは弟の影響で唯一『電王』をリアタイして、後はちょっとだけディケイドを見てたので平成ライダーの名前は知ってる程度の知識。でもそこそこ楽しめた。
- 個人的にはいくらか素養がある『シン・ウルトラマン』の方が楽しめたかな。未だに初代からメビウスまでなら順番に言えるくらいには好きなので。でも特撮の雰囲気は共通して好き。
- ヒーローの孤独性にフォーカスするところで、だからバイクに乗ってるのか!と納得したけど今更すぎるか。
- あまり役者で観る映画を選んだりしないけど柄本佑はめっちゃ好き。
- 実家で家族が観てた『天皇の料理番』『天国と地獄〜サイコな2人〜』でも話は全く覚えてないけど印象に残ってる。
- 2号出てきてから露骨にテンション上がったし実際役どころもピッタリで面白かった。
- 値段が一緒でたまたま席が空いてたので西野七瀬の舞台挨拶回を観に行った。まあほぼ最後列だったので正直スタイルの良さしか分からんかったな。
久しぶりにモモタロスの変身待機音聞いて泣きそう
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『BLUE GIANT』(映画 新作)
- 独学で学んだサックス背負って上京してきた男が、英才ピアニストと素人ドラマーとでバンドを組んで夢の舞台を目指すお話。
- 「ジャズとは何か?」「聴けばわかる」を地でいく映画。熱すぎる。
- 音楽的な感性はそこそこある(と思ってる)けど学はないので、この良さを言葉にするのが難しい。でもひとつ言えるのは文脈以上に音楽で泣かされた。熱すぎる。
- 原作ほぼ未読だったが特に問題なし。こういうのは音がついた方が絶対良いと思って映画館に駆け込んだけど良い判断だった。
- 『けいおん』や『ぼっち・ざ・ろっく』なんかも音がついてこそのヒットなので、もっと軽率に音楽系漫画をアニメ化してほしい。
- 映像の中でCGがちょっとなんともな感じがあったけど、音に全振りしてたのかなと思えばむしろ好感が持てた。
- 漫画原作が未読で映像化を先に見るってパターンは自分にとっては珍しいので、ストーリー展開で意表を突かれるのが地味に新鮮だった。
- 確か一度完結して別シリーズで連載するくらいには長期作品なので、続編の映像化にも大いに期待。原作も読まんとな。
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2023年もいきなり面白い映画が盛りだくさん。感想書かなかったけど『RRR』も音の良い映画館で観てめちゃ興奮したなー。
最近は職場の先輩の影響でゴルフやフットサルを始めたり、WBCで野球観戦熱が高まったりと、スポーツモチベがやたら高い。物語のスポーツものもどんどん開拓していきたいね。
ではまた来月!