2022/08ものがたり日記
あらすじの範囲を超えそうなネタバレは薄字(反転推奨)。まだ自分で楽しむ予定があればスルーしてね。
記事の体裁整えながら「読書メータ―の方が楽じゃね?」と少し頭をよぎったが、完成形を見るとやっぱブログがいいなと思っちゃう。日記感がしっかり出るのと、写真ペタペタして自分用のスクラップ作ってる気分になれるのが結構気に入っているんですよね。
- 『ONE PIECE FILM RED』(映画)
- 『やがて君になる』(漫画/2015)
- 『メイドインアビス』(漫画/2012)
- 旅のお供のミステリ一言コメント『満願』『落日』
- 連載pick up『ちはやふる』『あかね噺』
『ONE PIECE FILM RED』(映画)
- 原作完全監修で制作されたワンピ3年ぶりの劇場版。本編でめったに出番のないシャンクスがついに、、、と思わせてその娘・ウタが実質的に物語のメインを張る。
- ネタバレが怖くて公開初日朝イチで観に行きました。さすがの超満員。
- 何よりも印象に残るのは、今をときめくアーティスト・Adoの起用法。
- 特に出だしはAdo/ウタのライブそのものと言ってもいいくらい。劇中歌も7曲あってそれぞれ大物が楽曲提供している力の入りよう。曲に全く興味ない人はその分無の時間が続くので多分つらい。
- 『犬王』のときも思ったけど、コロナ禍が続いて皆がライブに飢えているところに訴求する狙いはありそう。音楽業界も必死なんじゃなかろうか。
- これは個人的な話だが、ウタとAdoを同一視するのにかなり時間がかかった。自分の中のワンピを楽しむ少年の感性とボカロ界隈で育んだサブカル感性(Adoは歌い手出身)が対極すぎてな、、、
- ウタの半生と人物像が見えてくるにつれて話の印象もがらっと変わる。自分が元凶であることに気付いてたことを案外さらっと明かしてたけどそれ見方が180度変わるやつじゃん。
- 最後まで観てやっとAdoを起用した意味が分かった気がした。ウタと比べて遜色ない現実世界の人気も、ウタの歪みを表現できるテクも両方持ってる人だと思う。
- 本編読んでても思うけど、国民的少年漫画の看板のわりには平気でエゲツない過去をキャラに背負わせるよね、、、。特典(40億巻)に載ってるウタの時系列に沿った設定資料見てもキャラメイクに一癖も二癖もある。
- 観終わった直後は前作の『STAMPEDE』のがお祭り感あって面白かったような気がしていたが、時間がたった今では普段しないリピートを検討する程度にはウタにハマってしまった。
- 個人的にワンピースを読んでて一番楽しいのは世界情勢や歴史のような大きな動きがある場面だけど、一方で各エピソードの人間ドラマの方もものすごく面白くて、結局ミクロとマクロを高いレベルで両立している点がワンピースを王者たらしめているのかなと。
- それで言うと今回の映画は(シャンクス一味の戦闘やギア5のようなファンサービスはありつつも)ウタ一人にがっつりフォーカスした映画としてすごく良くできていた。もうすっかりウタに虜です。
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『やがて君になる』(漫画/2015)
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- 誰かを特別に思う気持ちが分からない同士、だったはずの生徒会先輩女子(七海燈子)と後輩女子(小糸侑)が関係を深めていくお話。
- 七海先輩にとっての侑は「私を絶対に特別に思ったりしない」から特別になり得るが、だからこそ侑は逆に七海先輩を特別に思ってしまったら自分が特別な存在じゃなくなってしまう。ロジックの上では絶対に両想いになれないこの非対称関係がどう変化していくのかが見所。
- 「恋愛感情が当たり前のものではない」として始まる物語は個人的にとてもツボなのだけど、『やが君』も例に漏れずしっかりハマってしまった。
- 「好きに理由はいらない!」くらいに情熱があるのはもちろん素晴らしいことだけど、理屈っぽい私としては”それ”じゃない何かから始まって親愛を深めていく方が逆に感情に刺さる。
- 生徒会もので恋愛から始まらない関係性で『イチゴーイチハチ!』を連想するなど。懐に踏み込むことが相手の救いに繋がって、その先に恋愛のフェーズが見えてくる。リアルの恋愛においてそのプロセスが必須だとは言えないけど、でもロマンがあって憧れちゃう。
- 恋愛感情を所与のものとしない発想、全く別ジャンルだけど現在進行形で読んでいる本『東京大学「ボーカロイド音楽論」講義』でも大きなテーマで論じられている。この精神は確かにボカロシーンによく見られるし、非恋愛脳的な作品が好きな自分がボカロを好んで聞いている理由、あるいはもっと世代的な感覚が説明できるかもしれない。継続的に追っていきたいテーマである。
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『メイドインアビス』(漫画/2012)
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- 人類未踏の大穴に挑む探検家を目指す女の子のお話。今期やってるアニメもついでに視聴。
- ゆるふわな絵からは想像もつかない過酷なサバイバル。こんなちっちゃい子になんて度し難い仕打ちを、、、ってなる。
- 途中の展開はなかなかに悪趣味だが章単位の読み味は決して悪くないのがギリギリ人の心を感じさせる。
- 主人公のリコ、きっかけが親の背中を追うことだったり、でも気付けば「憧れはやめられない」的な冒険家マインドを自分のものにしてたり、それゆえにサバイバルや夢追い人の本質を射抜くセンスを持っていたり。何かと『HUNTER×HUNTER』のゴンを思い出す。
- ともすれば影が薄くなりそうなくらいなピュアさが個性になる主人公、ここぞで本領を発揮するので今後も楽しみ。
- 今期のアニメOPがものっすごく良い。エスニックな曲調と冒険譚の相性、2つの時間軸のクロスオーバー、超絶ビジュアルがきっちり音ハメされてたりと非の打ち所がない。作品愛に溢れてるよね。
- 二度と戻ることができない旅、最深部で待つお母さん(ではないかもしれない何か)、終着点に辿り着いたときどんな残酷なことが起こるのか全く読めない。でも道中で背負ってきた数々の想いを清算するようなフィナーレになればいいね。
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旅のお供のミステリ一言コメント『満願』『落日』
- 今年の夏季休暇は18きっぷ旅行を2回したのだが、その移動中に読んだ2冊。ミステリ小説もすっかりご無沙汰だったので長い電車旅でじっくり楽しめてよかった。
- 『満願』『氷菓』で有名な〈古典部〉シリーズや今年の直木賞を獲った『黒牢城』で知られる米澤穂信の短編集。
- 全6本の短編はどれもどんでん返しあり。しかし派手というよりは人間臭さの強いねっとりとした読後感を残す。バラエティ豊かでとても楽しめた。『夜警』『柘榴』『万灯』あたりが印象に残った。
- 『落日』 駆け出し新人脚本家と売れっ子新人映画監督の女性2人が新作のために過去の殺人事件を掘り返す、「イヤミスの女王」湊かなえの長編ミステリ。
- 文庫新刊を手に取ったので前情報ゼロだったが、身構えてた割に読後感のいいお話だった。なんなら『満願』のほうがよっぽど後味悪い。後半の駆け足が勿体なく感じたが、あちこちで出来事が繋がる感覚はとても気持ちがいい。
- 小説は一気読みすると今みたいに後で振り返る時、目的のシーンや台詞に戻るのに苦労するのだなと。今までそんなこと考えたことなかったけど。
- 『落日』の中で触れられてた創作論になんか思うところがあったんだけどな、、、忘れちゃった。今度から読みながらピンときた場所にはメモ残そう。
連載pick up『ちはやふる』『あかね噺』
- 普段定期購読でジャンプ・ヤンジャン・COMIC DAYSプレミアム19誌読み放題(アフタヌーンマガジンヤンマガモーニング辺りが本命)を追っているので、その中から毎月ピックアップしてちょい語りしよう、という企画。
- 『ちはやふる』 競技かるたに青春を捧げる高校生のお話。8/1発売『BE・LOVE』にて最終回、連載15年全50巻247話の堂々完結。
- 中学生の時に初めて読んで、その後学校の百人一首大会のために決まり字全部覚えたのはいい思い出。『ハイキュー』が終わった時に顕著だったけど、自分の青春時代を形作った漫画が終わると途端に歳を感じてしまうな。
- 作者の末次由紀さんは完結が見え始めてから「かるたに恩返しがしたい」と言ってかるた基金を立ち上げたりと色々アプローチしているらしい。個人的に、漫画の持つソフトパワーはもっと現実世界を豊かにできるしそのための経済力を持ってしかるべきと思っているので、こういう動きは心から応援したい。
- 『あかね噺』 破門された噺家の娘が、父の落語を見返してもらうため噺家を目指すお話。現在既刊2冊。
『スラムダンク』に並ぶ平成スポーツ漫画の頂点、だと勝手に思ってる
ハイキュー!! 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | 古舘春一 | 少年マンガ | Kindleストア | Amazon
激アツ。令和スポーツ漫画の頂点になってくれ
メダリスト(1) (アフタヌーンコミックス) | つるまいかだ | 青年マンガ | Kindleストア | Amazon
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8月は同時進行でいろいろ読んでたりしたので9月分に持ち越したのも多数。そのかわりスプラ3発売とか控えてるので新規開拓はちょい減るかも?足りない分量はコンスタントに読んでる連載を語ってカバーしようかな。
ではまた来月!